◇ 宗教活動が原因で婚姻関係が破綻

宗教活動が破綻原因とされ、離婚請求が認められた事案②

妻が婚姻後「エホバの証人」に入信し、仏事等の先祖への祭祀を行わなくなったことから、夫婦間で深刻な対立が生じたが、妻は宗教活動を控える意思がなく、別居が長期に及んだため、夫が、婚姻関係が破綻しているとして、 離婚を求めた事案。

控訴審判断の要旨(大阪高判平成2年12月14日判時1384-55)

・昭和47年11月    結婚
・昭和48年8月    長男出生
・昭和50年5月    二男出生
・昭和55年頃      妻エホバの証人の信仰を始める
・昭和57年10月    別居
・昭和59年6月    妻 洗礼を受ける

妻が夫との関係を円満にするために宗教活動を自粛しようとの気持ちはまったくないこと、仮に同居を再開しても、妻が行っている宗教活動の状況からすれば、日常の家事や子どもの養育に相当支障が生じることは必至であり、これを夫が容認することは全く期待できないこと、夫の離婚の意思が固いこと、別居期間がすでに8年にも及んでおり現実に夫婦関係が円満に回復する見込みがまったくないことが明らかであり、婚姻関係はすでに完全に破綻しているものと認めるのが相当である。

 

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