●離婚により当然に旧姓に戻ります

離婚をすると、姓(名字)は当然に結婚前の姓に戻ります。しかし結婚生活が長かった場合や、会社で働いているような場合には、名字が変わってしまうと不都合な場合もあります。その場合は離婚の日から3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を届け出れば、結婚中の名字をそのまま称することができます。

●離婚前の名字を使うには届出が必要です

離婚の日から3ヶ月を経過後に名字を離婚前の名字に変更したい場合は、家庭裁判所に「氏の変更許可の申立」をして、裁判所の許可を得なければなりません。この場合、名字を変更する「やむを得ない理由」が必要になります。離婚の場合は、一般の氏の変更に比べて、許可されやすいようではありますが、必ず認められるというものではないため、離婚の際には名字をどうするかをしっかり考えておいた方がいいでしょう。

●子供の名字は変わりません

両親が離婚しても子共の名字は変わりません。例えば、離婚により母親が子供の親権者になった場合でも、届出をしなければ、子供の名字は変わらず、戸籍も今までの戸籍(※戸籍筆頭者が夫の場合は夫の戸籍)にとどまることになります。子共の名字を変えるためには、子の氏の変更許可の申立を家庭裁判所にする必要があります。

※ 氏の変更許可の申立について
●申立先  申立人の住所地の家庭裁判所
●必要書類 ①申立書
②申立人の戸籍謄本1通
③氏の変更の理由を証する資料(婚姻中の戸籍(除籍・改製原戸籍)など)
④収入印紙800円分

●変更が許可された後の手続き
家庭裁判所の許可の審判が確定したあと市町村役場に届出が必要。
審判書の謄本と確定証明書(家庭裁判所に申請する)を添付して申立人の本籍地又は住所地の役場に届出る。

※ 子の氏の変更許可について
●申立人  子(子が15歳未満の時はその法定代理人)
●申立先  子の住所地の家庭裁判所
●必要書類 ①申立書
②申立人(子)の戸籍謄本
③父・母の戸籍謄本(離婚記載のあるもの)
④収入印紙800円(子一人につき)
⑤連絡用の郵便切手(必要金額は各家庭裁判所に確認)

●変更が許可された後の手続き
子の戸籍を移動するには、家庭裁判所の許可を得た後、市町村役場に届出が必要。子の本籍地又は届出人の住所地の役場に 、審判書の謄本と戸籍謄本を添付して届出る。