◇ 性格的欠陥を理由とする離婚請求

性格的欠陥があることを理由とした離婚請求が棄却された事案

妻の性格に重大な欠陥があることを理由としてなされた夫からの離婚請求に対し、双方の婚姻関係の破綻は、夫の独善的かつ独断的行為に起因するものが多大であることがうかがえないわけではないが、将来円満な婚姻関係を回復することが期待できないものでもないとして、離婚を認容した控訴審の判決を棄却差し戻した。

上告審判断の要旨(最高裁判昭和38年6月7日家月15巻8号55頁・判時338号3頁・判タ115-102)

X:夫(原告・控訴人・被上告人)  Y:(被告・被控訴人・上告人)

婚姻関係が破綻した場合においても、その破綻につきもっぱらまたは主として原因を与えた当事者は、自ら離婚の請求をなしえないものと解するのを相当とするところ、原判示事実関係によれば、双方の婚姻関係の破綻は、Xの独善的かつ独断的行為に起因するものが多大であることがうかがえないわけではなく、しかも、双方がさらに反省と努力を重ねるならば、双方の子どもたちを中心とする周囲の者の協力、援助のいかんによっては、必ずしも将来円満な婚姻関係を回復することが期待できないわけでもないことが推認できる。

 

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