◇ 夫婦生活に応じない夫に対する離婚請求
ポルノビデオを見ながら自慰行為に耽り、夫婦生活に応じない夫の行為が婚姻を継続し難い重大な事由に該当するとし、妻からの離婚請求が認められた事案
肉体的欠陥があるとは認められないにもかかわらず、妻との性交渉を拒否し、ポルノビデオを見て自慰行為をするという状況は、婚姻を継続し難い重大な事由に該当すると認定し、妻の離婚請求を認容し、夫に対し120万円の慰謝料の支払いを命じた事案。
控訴審判断の要旨(福岡高判平成5年3月18日判タ827-270)
X:妻(原告・被控訴人) Y:夫(被告・控訴人)
・昭和63年9月 結婚
・平成2年2月頃 Yが性交渉を拒否するようになる
・平成3年6月 別居
性生活に対するYの態度は、正常な夫婦の性生活からすると異常というほかなく、これらの点を指摘するXに対し、Yはいったん改善を約束しながら依然として改めていないこと、Xは、Yへの愛情を喪失し、婚姻生活を継続する意思がまったくないこと等の事情からすると、YとXとの婚姻生活はすでに破綻しているものといわざるを得ない。