◇ 家庭内問題への協力がなかったことを理由とした離婚請求

家庭内の問題について夫が援助しないことなどを理由とした、妻からの離婚請求が認められた事案

2度の別居を挟みながらも、経済面および心理面における妻の献身的な後見により婚姻関係が継続されてきたが、夫が家庭内の問題について妻を援助せず、かつ夫の暴言・暴力による妻の精神的負担が重くなり、別居期間が4年を超えた現在では、もはや婚姻関係は回復の見込みがないほどに破綻しているとして、離婚請求が認められた。

X:妻(原告)   Y:夫(被告)
・平成7年1月    婚姻
・平成9年7月    Y、勤務先を退職
・平成17年2月    夫婦で診療内科を受診(Xは適応障害、Yはうつ病)
・平成18年12月     Xが家を出て、以後別居

第一審判断の要旨(東京家判平成23年4月26日)

XとYとの婚姻関係は、Yが十分な勤労意欲を有さず、また、家庭内の問題についてXを援助したり、真摯に話し合ったりする姿勢を示さなかったことなどから次第に形骸化し、それと同時に、Yによる暴言・暴力が始まりそれが激しくなっていったことなどから、Xの精神的な負担がいっそう重くなり、Xは離婚を意識するようになった。
その後、Yの母が死亡したことを契機としてXは離婚を決意し、完全な別居状態が継続するようになるとともに、Xにおいてますます離婚を望むようになった。別居期間が4年を超え、XとYとの婚姻関係は、もはや回復の見込みがないほどに破綻しているので、Xの離婚請求には理由がある。

 

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