◇ 難病の妻に対する離婚請求

難病の妻に対する夫からの離婚請求が棄却された事案

妻は脊髄小脳変性症という難病に罹患し、日常生活にも支障がある状態であるが、他方、妻に知的障害はなく、夫婦間、あるいは親子間の精神的な交流は可能であるところ、子との同居や婚姻生活の維持を願う妻の意思を考慮すると、日常生活の役に立たなくなったからという理由だけで、妻の座から去らせようとし、将来にわたる誠意ある支援態勢を示さない夫の態度のみによって、婚姻が回復し難いほど破綻していると認めることはできないとして、夫からの離婚請求を棄却した。

(名古屋高判平成3年5月30日家月44巻11-71)

 

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