◇ 強姦罪を犯した夫に対する離婚請求
強姦罪を犯した夫に対する離婚請求が認められた事案
夫が友人と共謀の上、女性3名を強姦(輪姦)、1名を強姦未遂した事を理由に、当該行為が民法770条1項1号の不貞行為に該当するとして妻が提訴した離婚請求が認容された。
上告審の判断内容[最高裁 昭和48年11月15日判決]
民法770条1項1号所定の「配偶者に不貞な行為があったとき」とは、配偶者ある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことを いうのであって、この場合、相手方の自由な意思に基づくものであるか否かは問わないと解するのが相当である。
原判決が確定した事実によれば、上告人(夫)は昭和42年4月頃から同年10月末頃までの間に、友人と共謀の上、自己の自由な意思に基づいて、自ら婦女3名を強いて姦淫し、性的関係を結んだというのであるから、上告人に不貞な行為があったと認めるのが相当である。