◇ 事例⑥ 妻子がいることを知りながら内縁関係になった女性から、相手  男性への慰謝料請求

Y男(27歳)は、妻子がいるにもかかわらず、X子(19歳)に対し、妻と別れると言いながら妊娠させ同棲を始めたが、子どもが生まれた後別れてしまった。X子は、Y男に対し、2000万円以上の慰謝料請求を行ったが、裁判所は、慰謝料を300万円とする判決を下した。
(京都地裁・平成4年10月27日判決)

 

従来、妻のある男性が結婚の意思がないのに、これをあるように装って事実上の夫婦関係を結んだとしても、相手の女性が男性に妻のあることを知っていた時には、その女性の貞操侵害を理由とする慰謝料は認められていませんでした。しかし、最高裁は昭和44年9月26日の判決で、「女性がその情交関係を結んだ動機が、主として男性の詐言を信じたことに原因している場合、男性側の情交関係を結んだ動機、その詐言の内容、程度及びそれについて女性がどのように思っていたか等を考慮し、情交関係を引き起こした原因が、主として男性にあり、男性側の違法性が著しく大きい時には女性に対する貞操等の侵害を理由とする慰謝料請求は許される」という判断を下しました。

 

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