◇ 離婚協議書・離婚公正証書とは

離婚をするための話し合いで、親権・監護権・養育費・面接交渉・財産分与・慰謝料などについて合意ができたら離婚届を出す前に、その内容を必ず書面にしておきましょう。
離婚協議書には決まった書式などはありません。お互いが合意したことを確認し、証拠として残しておくためのものですので、あいまいで誤解を招く表現や、記載漏れがないかどうかもしっかり確認する必要があります。また、公序良俗に違反するような内容や、法律違反の内容は無効となります。離婚協議書は離婚の際に取得した権利等をしっかりと守るための大変重要な書類になります。さらに、より確実に離婚の際の合意内容を守ってもらうために、公正証書での作成(離婚公正証書)をおすすめします。

 

◇ 離婚公正証書の効力

公正証書とは、公証役場において、公証人という資格を持つ人に作ってもらう公文書です。協議離婚を行った場合、その合意内容を離婚協議書などで書面にしておいても、もし養育費の滞納などが発生して、その請求を行うとなると裁判を行わなければなりません。そうなると労力も時間もかかって非常に大変です。
しかし、離婚公正証書にした場合は、もしそのような債務不履行が発生した場合には、裁判を経ることなく、すぐに強制執行手続きにはいることができます。これは公正証書の記載する内容の中に、「執行認諾文言」を入れておくことで可能となります。この執行認諾文言とは、「公正証書の記載内容を実行しない場合には、強制執行を受けてもよいということを承諾した」という意味です。

このように、ただの離婚協議書と公正証書による離婚協議書(離婚公正証書)では、その効力に大きな違いがあります。この効力によって、支払い義務者の養育費の不払いなどに対して、強力な抑止力を持つことができます。離婚後の生活を安心してスムーズに送ることができるように、協議離婚の場合には離婚公正証書を作ることをおすすめいたします。

 

◇ 離婚協議書作成のポイント

離婚協議書の内容については、法律違反や公序良俗違反の内容はもちろん無効ですが、その他にも注意するポイントがあります。

① その協議書が、誰と誰の間の合意であるのか
② 何を与えるのか(不動産であれば地番、預貯金であれば金額など)
③ どういう意味で(慰謝料なのか、財産分与なのか、養育費なのか)
④ どこにどうやっていつまで支払うのか(振込口座、支払い方法、支払い期限など)
⑤ あいまいな表現はしない。できるだけ具体的に(面接交渉その他)
⑥ その内容が現実的に実行可能なのか(将来的にトラブルは起こらないか)
⑦ 公正証書の場合は必ず「執行認諾文言」を記載

これらをしっかり検討・考慮して作成する必要があります。

 

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