● 財産分与に備えて
離婚の際の財産分与については、その財産の名義に関係なく、夫婦が協力して取得・維持してきたものが対象です。準備として、どのような財産が財産分与の対象になるのかを把握しておく必要があります。名義が相手方の場合は、調査が難しい場合もありますが、預金通帳、有価証券、ゴルフ会員権など財産価値のあるものの存在を示す書類や確定申告の控えの写しなどがあると、話合いをする場合にもスムーズです。
● 慰謝料の請求をする場合の準備
慰謝料を請求する場合には、その請求の理由となる行為などの証拠を用意しておく必要があります。この証拠は裁判でも非常に重要になります。とくに、相手方の不倫や、暴力が理由の場合は、時がたつと証拠が失われる場合が多く、後で証明することが難しくなるため注意が必要です。
相手方の不倫を理由に慰謝料を請求するためには、裁判で不倫の事実を証拠として提示しなければなりません。不倫行為の証拠となるもの(メール、手紙、写真、行動記録のメモ、クレジットカードの明細など)を確保する必要があります。 相手の暴力に対する慰謝料の請求の場合は、いつどんな暴力をふるわれたのかのメモや、ケガなどの写真を残したり、病院に行って履歴を残すなどして証拠を確保する必要があります。
● 離婚までの生活費(婚姻費用)の請求
離婚前に別居をする場合には、その間の生活費(婚姻費用)の請求ができます。話合いによってその額を決める場合には、説得力のある必要金額の提示が必要です。子共の教育費、水道光熱費、その他生活費にどの位の金額がかかっているのかをしっかりと把握しておく必要があります。また、婚姻費用を裁判所での調停によって決める場合には、婚姻費用算定表を使って金額が算出されます。
● その他(離婚後のライフプランニング)
最も大切なことは、自立した生活をする為の収入をどうするかと言うことです。財産分与や慰謝料は、当面の生活を賄うことしかできない場合が一般的です。どんな仕事に就くのか、その仕事に資格や特別な能力は必要かなどしっかりプランを立てる必要があります。また、市町村などの補助や援助などもどういったものがあるのかを調べて離婚後のライフプランニングをして行きましょう。