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財産分与と慰謝料の違い

財産分与とは、夫婦が結婚生活を送っている間に、協力して取得・維持した財産を夫婦で分けることを言います。一方、慰謝料とは、離婚の原因となる行為及び、離婚自体について被った精神的な被害にたいして支払われる、金銭的賠償を言います。財産分与では、離婚の原因を作った当事者についても請求をすることができます。

財産分与とは

財産分与は、夫婦が婚姻中に協力して築いてきた財産について、離婚の際に夫婦それぞれの貢献度に応じて分けるというものです。したがって、その形成した財産が多ければ、財産分与の額も多くなります。
財産分与の意味合いは3つあると言われ、前述の①婚姻中に協力して形成した共同財産の精算的意味合いの他、②離婚後の妻の生活を支えるための扶養的な意味、③離婚による精神損害に対する慰謝料的な意味合い、があります。①についての財産分与では、離婚の責任の如何に関わらず請求できますが、②③については、離婚の原因について責任のある側(有責配偶者)からの請求は難しいでしょう。これら①~③に加え、別居をした場合の婚姻費用の支払いがなかった場合などは、その精算分も含まれることがあります。

財産分与は
離婚の時から2年が経過すると裁判所に請求できなくなりますので注意が必要です。

財産分与の対象となる財産とは

夫婦が婚姻中に協力して築いた財産を共有財産といいます。共有財産とされるものは、原則として夫婦の婚姻中において、共同で形成されたと認められる全ての財産とされ、不動産・預貯金・有価証券・車やその他の動産などすべて対象となります。その他では

●退職金  ・・・・それぞれのケースによりますが、退職時期がほぼ確定でき
          る熟年 離婚の場合には対象とされることが多いでしょう
          。判例では、退職が6年先のケースで分与の対象となった
          ものがあります。

●生命保険金 ・・・生命保険金の満期が到来していれば、夫婦の婚姻共同生活
          で形成された財産と認められる限り、名義のいかんを問わ
          ず財産分与の対象となります。また、保険料の支払い中の
          場合は現時点での資産価値(現時点の解約返戻金など)で
          分与を行うべきと考えられます。
           また、保険金の契約者と受取人が異なっている場合(契
          約者夫、受取人妻など)は受取人の変更をしない限り、離
          婚後もそのままとなりますので注意が必要です。

●債務  ・・・・・夫婦の婚姻共同生活において形成されたマイナスの財産で
          ある債務も、プラスの財産同様に分割の対象になります。
          ただし、これには債権者との関係がありますので、通常は
          財産分与の対象財産の評価の際に、積極財産(プラスの財
          産)から債務を差し引くことで、両者の負担を平等にする
          方法が取られます。また、夫婦が連帯債務者となっている
          場合は、債権者の承諾がない限り完済するまで双方とも債
          務の全額を負担することになります。

一方、結婚前から持っていた物などを特有財産といい、特有財産は基本的に分与の対象とはなりません。特有財産の主なものは、・婚姻前から所有する財産・相続や贈与で得た財産などです。ただし、例外的に扶養的財産分与の意味合いで分与の対象とされる場合があります。また、特有財産であってもその財産の取得や維持に特別な寄与があったと認められた場合も、分与の対象となります。
 また、別居中に形成された財産については、婚姻中の共同生活において形成されたとは言えず、基本的に分与の対象にはなりません。

財産分与の決定の流れ

① 対象財産の確定
  共有財産・特定財産の選別

② 対象財産の評価
  不動産や有価証券などの時価評価などを行い、対象財産の価額を算定

③ 精算割合の確定
  お互いの就労状況やこれまでの
寄与度などを考慮して決定

④ 具体的分与方法の決定
  分与する財産の決定、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与、婚姻費用などを
  必要に応じて考慮

※ 寄与度・・・・共有財産を分割するにあたって、その財産の形成にどのくら
         い貢献したか(寄与したか)が分割割合のポイントになりま
         す。一般的に、専業主婦の寄与度の割合は、共有財産全体の
         30~50%共働きで、収入能力に著しい差がない場合は原則
         50%、夫婦で家業を営んでいた場合などで、50%前後が目
         安になります。

財産分与の際の注意点

●不動産を分与された場合

離婚による財産分与で不動産を取得した場合は、不動産の登記手続きをしなければなりません。この登記手続きを行わないと、相手方が他人に不動産を売却するなどした場合には、その他人に対して不動産の所有権を主張できません。確実に自分物にするためにも、所有権の移転登記手続きをしなければならないのです。登記手続きには、権利証や、所有者(分与する側)の印鑑証明などが必要になってきますので、後でトラブルとならないように、離婚協議書などを作成して、離婚届に署名をする時などに、それらの書類も引き渡してもらうのが良いでしょう。
登記申請は自分でも行うことはできますが、司法書士に依頼すれば申請に係る手続きをまとめて行ってくれます。

また、不動産を取得した場合の税金についても、考えておきましょう。離婚による財産分与で取得者側にかかってくる税金は、所有権移転登記の際の登録免許税、その後毎年かかるのが固定資産税、都市計画税です。通常の不動産譲渡などでかかってくる、譲渡所得税・贈与税・不動産取得税などは離婚による財産分与では基本的にかかりません。ただし、慰謝料として不動産を受け取った場合などには不動産所得税がかかります。

※分与する側は、不動産や株式が購入時よりも、離婚で財産分与する時に値上がりしていた場合には、その差額が譲渡益とされ譲渡所得税が課されます。
(分与者が居住するために使用していた不動産を分与する場合には購入価格と時価の差額が3000万円までであれば、譲渡所得の特別控除が受けられます)

●借地権の財産分与

借地の上に家を建てている場合で、その家を財産分与された場合は、土地の貸主(地主)に借地権の譲り渡しについての承諾を得なければなりません。またこの場合に地主から承諾料(名義書換料)を要求される場合もあります(一般的に借地権価格の10%程度)。財産分与による譲り渡しの前に、地主の承諾と承諾料の確認をしておきましょう。

●オーバーローンの不動産の財産分与

夫婦でマンションを購入した場合に、銀行などから融資を受けると抵当権を設定されます。このような抵当権付きの不動産を財産分与として受け取った場合、もし借金を返済できなければ金融機関が抵当権を元に不動産を競売にかけます。結局不動産を手放すことになる上、不動産の競売価格が借金の額を下回れば(オーバーローン)借金だけが残ってしまいます。また、基本的に抵当権の設定された不動産の所有者名義の変更については、金融機関の承諾が必要な場合がほとんどですので、事前に確認・承諾をもらう必要があります。離婚の際に、ローンの残額を一括返済して、抵当権を抹消することができない状況で、抵当権付きの不動産を財産分与で取得する場合には、かなりのリスクがあることを理解する必要があります。


慰謝料について

慰謝料とは、不法行為によって精神的損害を被った場合に支払われる損害賠償をいいます。したがって、離婚慰謝料とは、離婚の原因を作った有責配偶者から相手方の配偶者に対して、離婚をするに至る原因となる行為による精神的苦痛や、離婚すること自体による精神的苦痛を賠償するために支払われる金銭賠償を言います。

慰謝料を請求できる期間は、相手方の不法行為に基づく請求の場合は、その
損害及び加害者を知った時から3年以内、離婚すること自体の精神的損害に対して請求する場合は離婚の時から3年で時効となり請求できなくなります。

慰謝料算定の考え方

慰謝料は、相手方に責められるべき責任がある場合に認められます。裁判においてその金額の算定する場合は被害者が受けた精神的苦痛の度合いを中心に、次の事情を考慮して裁判官が決定することになります。

① 離婚の原因・責任の度合い

離婚の直接的な原因が不貞行為(浮気)の場合で、浮気相手と子どもを作った、愛人宅に入り浸っていたなどの場合や、暴力・虐待などの場合は責任度合いが高くなります。またその期間についても長ければより責任度合いが大きくなり慰謝料も高くなります。

② 婚姻期間

婚姻期間(同居期間)が長いほど、夫婦関係の破綻の際の苦痛が大きいとして、慰謝料が高くなります。

③ 社会的地位・経済力(支払い能力)

有責配偶者の社会的地位が高かったり、資産家であったりした場合は慰謝料が高額になる傾向があります。

④ 被害者の立場の配偶者の自活能力

離婚後、自活できるか、再婚の可能性があるか、未成年の子どもがいるか、扶養の必要性とその程度も考慮されます。離婚する妻が高齢であったり、病気であったりした場合は慰謝料が高額になる傾向があります。

慰謝料が認められるケース・認められないケース


慰謝料が認められるケース
・相手の不倫・浮気(不貞行為)
・暴力・虐待・モラルハラスメント
・生活費を渡さない、家に帰ってこない
・一方的な婚姻関係の破棄  など
慰謝料が認められない可能性が高いケース
お互いに離婚に至った原因がある
・性格の不一致
・信仰上の対立
・特段の責任が認められない  など

●第三者への慰謝料請求

配偶者が不倫行為を行った場合は、配偶者と不倫相手が共同して婚姻生活の破綻の原因を作り、精神的苦痛を与えたと考えられます。したがって、配偶者と不倫相手は
共同不法行為者として、損害を賠償する連帯責任を負うこととなります。このため、被害者の立場にある配偶者は、相手の配偶者と不倫相手のいずれか一方または両方に慰謝料を請求することができます。

慰謝料の金額

慰謝料の金額は機械的に決めることができず、ケースによってかなりのばらつきがあるのが現状です。裁判例によれば、最高で1500万円程度、一般的な相場としては100~400万の間のものが多いようです。やはり、暴力や不貞行為を原因としたものは比較的高額になる傾向があり、また婚姻期間が長いほど、金額も大きくなる傾向があります。

●裁判例に見る参考金額

 請求者  婚姻期間  慰謝料 ケース 
 夫  2年 300万  妻が婚姻前から関係のあった男性と、婚姻後も関係を続け婚姻が破綻
 妻 8年  500万  夫が度々浮気、暴力もふるい中絶を強要した。 
 妻 20年  400万  妻を椅子で殴りつけ、10針縫うケガを負わせた。 
 妻  3年 100万   夫の仕事の帰りが遅く、夫婦の会話に時間を割かなかったことが婚姻
 破綻の原因であるとされた。
 妻  23年 500万   夫の賭博、借金、家でなどにより精神的苦痛


                  
     
      
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